
NEW WORLD
人とクルマの関係は
どう変わっていくのか?
時代のニーズに応えるために、常に進化を続けてきたクルマ。そして今、電気自動車( EV )への転換をはじめ、IoTやAIの発達、広がるシェアリングの概念、都市のインフラ改革、環境問題、超高齢社会の到来など、様々な社会背景も影響し、クルマはそのカタチや仕組みだけでなく、社会におけるポジションも歴史的な変化を求められています。
クルマを含めたモビリティ(移動手段)の在り方が変貌していく未来に、人とクルマの関係はどう変わるのか?確実な答えは誰も出すことはできません。でもNSKが確信しているのは、どんな未来が訪れても、「動くもの」の中で私たちの技術と発想が、確かな存在感を示していくこと。人とクルマの理想の関係を求めて、これからもNSKは世界に向けて「あたらしい動き」を発信していきます。
自動運転

「自動運転」の進化はどこへ向かうのか
そもそもクルマは、人が常にハンドルを握って運転する前提で発達してきました。しかし自動運転技術の発達により、その前提は変わっていきます。ドライバーを義務的な運転から解放し、高齢者や運転が苦手な人でも安心して乗れる自動運転の技術は、社会的ニーズと合致し、着実に進化を続けています。ハンドルを一度も握らずに目的地まで着くことも、技術的には可能になるでしょう。
では未来の人は、クルマをまったく運転しなくなるのでしょうか?NSKが考える自動運転の未来は少し違います。人の力を超えたクルマのパワーやスピードを自分で制御する「走りを楽しむ」というニーズは、今後も普遍に存在すると考えるからです。
人は安全・快適だけでなく、運転する楽しさを忘れない。
自動走行

なぜ「自動走行」するモビリティが必要なのか
「自動運転」の技術の進化は、ドライバーを必要としない「自動走行」という移動の概念を生み出しました。
そして、無人で走る自動走行技術の実用化については、まずはバスやタクシー、荷物を輸送するトラックなどの商用車へと拡がっていくことが見込まれています。現在、道路を走るクルマのうち約3割が商用車。クルマのトレンドが「所有から利用」へと変わり、物流量が拡大し“モノ”の移動の増加が予測される未来には、バス、タクシー、トラックなどの商用車の割合はさらに増加するはず。これら商用車の多くが自動走行になることで事故や交通渋滞が減少し、また商用車のEV化・電動化が進むことでCO2排出量の大幅な削減も期待できます。
交通インフラの革新と共に、大規模なCO2削減も。
エネルギー

EVの未来には、
エネルギーとのサステイナブルな関係が不可欠
走行中にCO2を排出しない「EV」は、その環境性能の高さによって、さらなる普及が確実視されています。しかしNSKでは、EVの発展のためには、「エネルギー」との関係性をサステイナブル(持続可能)に変えていく必要があると考えています。例えば、発電方法の革新。EVが増えれば電力の需要も増えます。そのエネルギーを水力や風力、近年開発が進む波力などでつくられる「再生可能エネルギー」でまかなえれば、EVはエネルギー資源を気にすることなく発展できます。もう一つは、給電インフラ整備。電車のように走りながら手軽に給電できるインフラが整備されれば、EVに大容量の電池を搭載することなく、長距離走行が可能な世界になるのです。
再生可能エネルギーの拡大と、給電インフラの整備が鍵。

NEW MOTION
理想の未来のために
NSKの「あたらしい動き」が
カタチになる。
NSKが掲げる100周年ビジョン「あたらしい動きをつくる」。この言葉には、社会のニーズに応えるだけでなく、自らニーズを発掘し、“世界に先駆けた動き”を生み出す強い意志が込められています。
この想いは、現代のクルマのトレンドである、「電気自動車(EV)」はもちろん、「自動運転」「自動走行」といった先進分野のものづくりに活かされ、NSKが磨き上げてきたクルマの三大要素“走る・曲がる・止まる”の技術を中心に開発が続けられています。また、EVの持続的な発展に欠かせない「エネルギー」分野へも早くから進出し、私たちの発想と技術がサステイナブルな未来に貢献できるよう活動を続けています。世界のあしたと未来を見据えたNSKの「あたらしい動き」に、これからもご期待ください。
NSKは「SDGs」の
理念に賛同し、
動きはじめています。
NSKは、持続可能な世界の実現に向け国連が定めた2030年までの国際的な目標である SDGs(Sustainable Development Goals : 持続可能な開発目標)に対して、その理念に賛同し、事業活動および社会貢献活動を通じて、目標達成に貢献します。

NSKは、持続可能な世界の実現に向け国連が定めた2030年までの国際的な目標である SDGs(Sustainable Development Goals : 持続可能な開発目標)に対して、その理念に賛同し、事業活動および社会貢献活動を通じて、目標達成に貢献します。
シームレス
2スピード eアクスル コンセプト

あきらめていた、
「加速」と「最高速」を同時に実現。
現在のEVは、エンジン車と比較すると航続距離に課題があります。NSKが開発を進める「シームレス 2 スピード eアクスル コンセプト」は、高速モータにNSK独自の「トラクションドライブ減速機」を組合せることで、従来のモータとべて約30%もの小型・軽量化を実現。これにより、今まで以上に多くの電池を搭載することができ、さらなる航続距離の延長が可能となります。トラクションドライブ減速機は、歯車の代わりにオイルを介してトルク伝達を行うため、静粛性に優れていることも特長です。また、2速変速機により加速と最高速を両立させたモータの高効率な運転が可能。さらにトルクセンサを活用することで、変速ショックの無いスムーズな走りも叶えます。「シームレス 2スピード eアクスル コンセプト」は航続距離の延長だけでなく、「走りを楽しむ」ニーズにも応える画期的な技術なのです。
走る
EVの航続距離の延長を叶える、NSKの新発想。
ステアバイワイヤ(FFA・RWA)

乗用車と商用車、様々なニーズに最適化。
「ステアバイワイヤ」式ステアリングとは、ハンドルの動きを電気信号化して、アクチュエータと呼ばれる機械に伝達しタイヤを動かすものです。この技術は様々なベネフィットをもたらしますが、NSKでは特に自動運転の安全性・快適性を高める技術として注目し、開発を進めています。例えば、自動運転中に道路に障害物があった場合、センサからの信号で自動的にタイヤが動き障害物を回避します。その際、ステアバイワイヤ式のステアリングなら、タイヤの激しい動きをハンドルに伝えないため、その後も安心・安全に走り続けることができます。NSKでは、この技術をトラックなどの大型車にも展開できるように、高出力のステアバイワイヤを開発中。大型車では特にテクニックが必要な狭い場所での駐車時も、自動運転で最適な制御をしてくれるなど、多様な利便性を秘めた技術です。
曲がる
自動運転時代に求められる、最高のレスポンスを。
電動油圧ブレーキ用
ボールねじアクチュエータ

自動運転時代に必要な、
電動ブレーキのキーパーツ。
自動運転時代には「ブレーキの電動化」が不可欠。NSKではこの流れを見据えて、電動ブレーキのレスポンスを担う高機能な「ボールねじアクチュエータ」を提案します。モータの回転運動を直線運動に変換し、ブレーキを素早く・正確に作動させるブレーキ用アクチュエータ。ここに世界から認められているNSKの高精度なボールねじを活用することで、アクチュエータの小型化・軽量化を実現し、ブレーキユニット全体の設計自由度にも貢献します。もちろん、実装義務化が進められている「衝突被害軽減ブレーキ( 緊急自動ブレーキ)」にも適した技術であり、障害物をセンサがとらえると、ボールねじアクチュエータを介してより素早くブレーキを作動させることができます。NSKは高い衝突回避能力を備えたブレーキシステムづくりに貢献し、自動運転時代に一つ上の安全・安心を提供していきます。
止まる
高精度と小型・軽量化で、安全性は新時代へ。
クラスター・ローバー・
モジュール・コンセプト

CO2削減の鍵となる、
インフラ車の電動・自動化を牽引。
バス、タクシー、トラックなどの商用車は、自動運転技術の進歩に伴い、ドライバーがいなくても走る「自動走行」になると考えられています。「クラスター・ローバー・モジュール・コンセプト」は、そんな自動走行車の「走る・曲がる・止まる」の機能を一つにまとめた、NSK独自の技術です。例えばこのモジュールをタクシーの場合は4個、バスなどの大型車には12個など必要な数だけ装着すれば、それだけで自動走行車の駆動機能を備えることができます。このモジュールは、横への移動や車高の上げ下げが自在で、また荷物の積み過ぎを検知するセンサも搭載。さらに交換や点検が容易なので、多様な用途で活躍できる可能性を秘めています。交通インフラとして今後も増加が見込まれる商用車の多くがこのモジュールを搭載したEVになれば、自動走行の普及が進むとともに、大幅なCO2削減にも貢献できると考えています。
走る・曲がる・止まる
オールインワンで、多種多様なモビリティの自動走行を叶える。
波力発電

次代を担う発電システムのキーパーツを。
EVの発展に欠かせない、再生可能エネルギーの拡大。NSKは、スウェーデンのOcean Harvesting Technologies社とのコラボにより波力発電システムの構築を行い、世界的な再生可能エネルギーの拡大に貢献しています。同社のシステムのキーパーツは、NSKが開発する長さ8mものメガサイズの高性能ボールねじ。NSK独自の技術力が、世界のエネルギーづくりの最先端でも活かされています。
つくる
EVの未来のために、電気エネルギーにもNSKのテクノロジー。
走行中ワイヤレス給電

インフラへの提言。
「より多く蓄電」から「手軽に給電」へ。
EVが長距離走行するためにはより多くの電池が必要になりますが、そうなると車体が非常に重くなり、充電時間も長くなってしまうデメリットがあります。この課題に挑む技術が、NSKと東京大学が共同開発する、第三世代の「走行中ワイヤレス給電」です。EVのホイール内にモータを搭載し、そのモータに道路に埋設したコイルから安定して給電する技術が、近い将来の実用化に向けて研究が進められています。
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